ビニール越しの恋
アラサー2年目を迎える僕は
顎と顎の紙相撲でもなく、
エゴとエゴのドッタンバッタンが起こることをどこか期待している節がある。
同時に、期待しているだけでは何一つとして、起こらないことも理解している。
聞こえは良いかもしれない。
でも今まで夢見てきた、ノスタルジーな世界に対して、マスクをつけて距離を取るなんて
風の谷の住人ですらしていないはずだ。
※あの世界観で言えば、風の谷以外の場所に
とても近いのだけれども。
下校中に買ったパピコを分ける時も
アルコール消毒は必要だ。
コーヒーかヨーグルトかで愚痴を言い合うのも、食べてから一度マスクをフィット位置まで戻さないといけない。
比べるのはアレだが、2人乗りの自転車だって道交法上ダメなのは分かってても、青春する世代にとっては同じくらいの重要な要素だと思う、多分。
こんなのアリか。
有無で言えば無しだろう。仕方ないのは分かってる、分かってはいる。
出会いもなければ
飲み会もない
残業だけ積み上がるのに
好きなラーメン屋は帰る頃には開いてない
休みの日によく目が覚めたって
映画は延期になって
ゲームはクオリティアップで延期になって
好きなアイドルのライブだっておうち時間
外に出てもやれる事って
モンスポットでタバコを燻らすだけだ
まぁ、それも、いいか
たまには
終わってはないか。
ビニール越しの恋なんて
言わばモラルとリビドーのシーソーゲーム